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「なるほどなー。さすが光葉、勉強になるぜ」
「そ、そぉ? っ……べ、別に大輝の為に言ったわけじゃ無いけどね!」
素直に感心した声を上げると、光葉は一瞬嬉しそうな顔をしたが、すぐにそれを変えて、プイッと顔を横に逸らしてしまった。
そんな時、
「へ……っ?」
光葉が珍しく、素っ頓狂な声を出した。
「どうした?」
俺がそんな光葉に聞いてみると、光葉は目をゴシゴシと擦ると何故か辺りをキョロキョロを見渡した。
(目を擦っている姿が、ネコみたいで少しだけ可愛いと思ってしまったのは黙っておこう)
だが何も無かったのか、光葉は「ハァ」と溜め息を付いて、
「いえ……気のせいだったみたい」
と言った。
俺は「なんだ」と思いつつ、聞いてみた。
「何か見えてたのか?」
「ええ……けど、見直しても何も無かったし、気のせいよ気のせい」
光葉はそう言って話を終わらせたので、俺もここで話を切ることにした。
ちなみに、何だかアックスが驚いているような表情をしていたが、光葉が近くにいるので、俺は何も聞くことが出来なかった。
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