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決闘が終了し、立体映像システムがOFFになりクリーチャーが消えた。
「怜衣乃! スッゲェ楽しい決闘だった!」
俺が怜衣乃に向けてグーサインをすると、怜衣乃も勢い良くグーサインを返してくれた。
「うん、負けちゃったけど。楽しかったよヒロっち!
───後、その後ろにいるクリスタル・アックスもね♪」
「えっ!?」
ウィンクで返してくれた怜衣乃は、合わせて俺の相棒の名前も呼んだ。
聞き間違いかと思ったが、今の怜衣乃の視線がアックスの方を向いているのは明らかで、聞き間違いではないようだ。
「……昨日の子とやっぱり同じ、なんだよな……」
そこで出てきたのは、やはりまだ疑問に残っている瓜二つのワンピース姿の金髪少女。
見た目だけでなく、精霊が見えるという所も共通している。
俺の中での疑問は、余計に膨らむばかりだった。
「昨日に負けず劣らず熱い決闘だったぜ、大輝!」
「《ドラヴィタ》で一掃されちゃった時は、まさか海堂が負けちゃう!? ……なんて思っちゃったけど、やっぱり海堂ってスゴいね!」
そんな時、夏騎と小鶴がそれぞれの感想を口にしながら観戦席から駆け寄ってきた。
「プレイングミスした時の方がヒヤヒヤしたけどな」
俺はとりあえず心の内の疑問を考えるのを止めて、そんな事を言い返してみたのだった。
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