頭角のドラゴン

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怜衣乃の拘束から解放された光葉は、顔を真っ赤にして声を荒げた。 「ちょ、ちょっとアンタ! いきなり何なのよっ!?」 「アッハッハ、ごめんごめーん♪ 可愛すぎて見境なくしちゃったよぉ」 怜衣乃は軽く謝ってから、光葉から完全に離れて向き直した。 「……所で、この制服って聖ルチークのだよね? ヒロっちとどういう関係?」 「幼馴染みって所だ」 怜衣乃の質問に軽く答えると、何故か隣で光葉が俺をジッと見ていた。 ……な、何だ? 「へぇー、幼馴染みかぁ。あたしはてっきり彼女かと───」 「ちっ、ち、違うわよ!!」 次に怜衣乃が見当違いの事を口にしようとしたが……光葉がそれを強制的に遮った。 そ……そこまで否定しなくても。 ちょっと傷付く。 ……まぁ、俺みたいなただの一般校生徒が光葉に釣り合うなんて思ってないけどさ。 それからしばらく、自己紹介を済ませた俺たちは一緒に登校路を歩いていた。 初めは怜衣乃を警戒していた光葉も(理由は分からないが)、すっかり親密になっていた。 「《ドラヴィタ》ねぇ……初めて見るカードだけど、強力ね」 「強いでしょー! サイキック・クリーチャーは珍しいけど、これはある人から貰ったカードなんだ!」 ある人……? その事を疑問に思った俺だったが、そんな思いも光葉の次の言葉で消し飛んだ。 「けど不思議よね。このカード、精霊が宿ってた痕跡があるのに今は何も感じられないわ」
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