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目が覚めるとベッドの上だった。
目の前には櫂翔の胸かあり、いつの間にベッドに来たのかボ~としながら考えていると、櫂翔が身動ぎして目を開けた。
「…………ん…………。」
「……か……い…と。」
寝ぼけている櫂翔に声を掛ければ、目に私を写してくれてギュッと抱き締めてくれた。
「具合はどうだ?」
「だ…じょ…ぶ…。
い……つ……ベッ…ド……来…た…の??」
「無理はするなよ?ベッドに来たのはお前が寝て暫くしてからだな。ソファーに居たんじゃ身体が辛いだろ?」
「は…こ……で…く……て……あ……が…と…。」
「あぁ。」
お礼を言うと櫂翔は頭を撫でながら微笑んでくれた。
それから、櫂翔は枕を背に起き出しタバコに火を付けた。
そんな櫂翔の膝には私の頭が乗っている。
甘える様にしている私に、櫂翔はずっと頭を撫でてくれていた。
櫂翔がタバコを吸い終わった頃、フッと気付き聞いてみた。
「ね…?…か…い…と??」
「どうした?」
「ラ…イ…チ…が…い…な…い。」
「あぁ。下にいるぞ。行くか?」
「ん。」
私の返事を聞くと櫂翔は私を抱き上げ下に向かった。
リビングのドアを開ければ、ライチがタカタカと走って来る。
そんなライチを踏まない様に、櫂翔は私をソファーに下ろした。
「ラ…イ…チ…は…よ。」
「ニャ~。」
「あら李遠ちゃん起きたのね?おはよう。」
ライチと話していると、お母さんがキッチンから顔を覗かせた。
「は…よ…。お…か…さ。」
「おはよう。具合はどう?」
「だ…じょ…ぶ。」
また少し身体がダルかったが、そこまで辛い訳ではないので、そう応えた。
「そう?だいぶ声も出てきたね。じゃあご飯用意するわね?」
お母さんはそう言いキッチンに戻って行った。
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