二章

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熾遠side 久しぶりに訪れた今まで住んでた家。 玄関を開けて中に入れば、リビングから叔母さんが出てきた。 嫌味を言われ、李遠が櫂翔を連れて二階に行ったのを確認してから叔母に話しかけた。 「久しぶりですね。俺との約束…守ってなかったんですね?」 そう言うと、叔母は解らないみたいな顔をした。 「李遠を今まで殴ってたらしいですね?涼にも酷い事されてたみたいだし…。」 「何を言ってるの?涼との事は李遠が同意しての事でしょう。それに…不自由にはさせてないわよ?」 「へぇ…。部屋から出れないのは不自由にはならないと?それに…同意してやってるなら、李遠が俺を探す訳がない。携帯も壊したらしいな。俺に来られると困る事してたんだよな?」 「なっ!こっちはあの子の面倒みてあげたんだから、それぐらい我慢させなさいよ!!」 俺の言葉に叔母さんは逆ギレした。 「約束が違う。もうあんた達には任せない。李遠は連れていく。ちなみに…親父達の会社も返してもらう。元々あれは俺が継ぐはずの物だ。」 「李遠を連れていくのは勝手にしたら良いわ。会社は無理に決まってるでしょ?社長は家の旦那よ。」 「ふっ。すぐにでも返してもらう。あと何日か贅沢な暮らしをするといい。」 「貴方はまだ高校生でしょ!そんな事出来ないのに言わないで!!」 叔母さんはヒステリックに叫んでいた。
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