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櫂翔side
ちょうど入学式が終わった頃、学校に着いた。
屋上に行く前に飲み物を買おうと自販機の前に行くと、女が絡まれていた。
…面倒くせぇ…
そう思いながら、近づき女を見ると、一瞬時が止まった。
綺麗と可愛いが混ざった感じの今までにいなかった様な奴だった。
いつもは無視するが、無意識に止めに入っていた。
「お前ら…何してる?」
そう言いながら男を見ると、黄竜の奴らだった。
言い訳を始めた男達に呆れていると、男達は女に同意を求めていた。
それに対して女は凛とした声で応え、その声に柄にもなくドキッとした。
どう見ても、男達が絡んでたのは解ってたが、女の話を聞き、低めの声で呟くと男達は慌てて走り去った。
このまま、この女を放置出来ず、教室まで送ると言い、クラスを聞き出すと、葵と同じAだった。
女の手を引きながら、名前を聞くと李遠と名乗った。
李遠は俺の事もblue moonの事も知らないみたいで、何なのか聞いてきた。
やはり李遠は今までの女達とは違った。
俺は…初めて本気でこいつが欲しいと思った。
とりあえず、溜まり場に連れて行こうと考え、行くか?と聞くと、寂しそうに夕方からは家から出れない…と答えた。
いつでも連絡が取れる様に携帯を教え、話しながら歩いていると、教室が見えてきた。
教室が見える位置までくると李遠は遠慮してるのか、ここでいいと言った。
足を止めて、李遠を見ながら、敬語を止めて、さん付けしない様に言うと、遠慮してるのか、でも… と言い出したが渋々ながら頷いてくれた。
李遠にいつでも連絡して言いと言い残し、俺は来た道を戻った。
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