四章

35/36

1836人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
『さて…そろそろ帰るぞ?』 瑠榎さんの言葉に綾さんが不満そうな顔をした。 『えぇ~。』 『沙綾…またすぐに会えるから。』 魁さんに慰められる綾さんが可愛かった。 微笑ましく見ていると、綾さんが走り寄ってきた。 『李遠ちゃん。また近い内に遊ぼうね?今度は私達の方で!』 「はい!必ず!!」 『綾ちゃんアドレス教えて?』 「わかりました。」 そう言い、携帯を取りだし綾さんと赤外線でアドレスを交換した。 それを見ていた妃那ねぇと銘ちゃんが叫ぶ。 『綾だけズルいわよ!李遠私にも!!』 「綾ちゃん私にも教えて!!」 そんな二人に、綾さんと笑いながら連絡先を交換した。 『ねぇ李遠ちゃん。何かあったら、いつでも連絡してね?櫂翔くんに言えない事でもね?』 「はい。ありがとうございます。」 しばらく話して、綾さん達は車に乗り込み帰っていった。 車が見えなくなるまで手を降っていると、櫂翔に呼ばれる。 「李遠、帰るぞ。」 「はぁい。」 返事をして櫂翔の腕に抱きついた。 「綾さん達と次会えるのは夏かな?」 「その前にでも連れていってやる。」 「本当?」 ニコニコしながら聞けば、櫂翔は頷いた。 櫂翔と熾遠と銘ちゃんと一緒に歩いて、溜まり場に帰ると、葵が拗ねていた。 「葵?どうしたの?」 「おいてかれた…瑠榎さん達の見送り行きたかったのに…。」 イジケている葵に熾遠が言う。 「起きないお前が悪い。どうせ近い内にまた会うからいいだろ。」 「その時は誘って下さいよ!絶対ですからね!!」 「はぃはぃ。」 真剣な葵に熾遠は適当に返事をして、ソファーに座った。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1836人が本棚に入れています
本棚に追加