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目が覚めたのは目覚ましがなる少し前。
目を開けると、櫂翔の胸に抱かれていた。
抱きしめられているのが嬉しくなり、櫂翔の胸にスリスリする。
…出会って、そんなに時間はたってないが、私には櫂翔が居ないと眠る事も出来ないと思う。
櫂翔に出会えて良かった。
心からそう思えた。
スリスリする私に櫂翔は目を覚ました。
「…李遠?怖い夢でも見たか?」
寝起きの掠れた声で囁きながら、私をギュッと抱きしめ聞いてきた櫂翔に首を振る。
「…甘えたい…だけ…。」
そう言えば、櫂翔は安心した様にまた目を閉じた。
しばらく甘え、抱きしめられている腕をほどき、櫂翔を起こさない様に布団から出て、シャワーを浴びに向かった。
シャワーから上がって寝室に向かうと、櫂翔はまだスヤスヤと眠っていた。
学校に行かなきゃいけないから櫂翔を起こす。
「櫂翔、起きて?朝だよ。」
何度か揺すると櫂翔が目を開けた。
「おはよう櫂翔。学校の準備しなきゃ?」
目は開けたものの、起き上がる気配がない櫂翔をもう一度呼ぶ。
「ほら起きて?」
寝ている櫂翔を覗き込むと、櫂翔の腕が頭に伸びてきて、そのままキスされた。
チュッと触れるだけのキスをした櫂翔は、また私を抱きしめ眠ろうとする。
「櫂翔寝ちゃダメ。起きて!」
そう言うと櫂翔は目を瞑ったまま言った。
「…李遠がキスしてくれたら起きる…」
「えっ!」
驚き聞き返した。
「キスしないなら後から行くぞ。ほらしないなら寝よう。」
櫂翔はそう言いながら、私を布団の中にひきずり込んで抱きしめた。
「…もう…。」
遅刻したくなかった私は櫂翔にチュッとキスを落とすと、頭を持たれ深いキスに変わっていた。
長くキスされ、気付くと櫂翔が私の上になっていた。
「…ゃ…ン…」
優しく頭を撫でられながらキスされたのが気持ちよく、フワフワした気分になっていると櫂翔が言った。
「クスクス。李遠…エロい顔になってる。」
そう言いながら、またキスしてきた。
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