五章

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目が覚めたのは目覚ましがなる少し前。 目を開けると、櫂翔の胸に抱かれていた。 抱きしめられているのが嬉しくなり、櫂翔の胸にスリスリする。 …出会って、そんなに時間はたってないが、私には櫂翔が居ないと眠る事も出来ないと思う。 櫂翔に出会えて良かった。 心からそう思えた。 スリスリする私に櫂翔は目を覚ました。 「…李遠?怖い夢でも見たか?」 寝起きの掠れた声で囁きながら、私をギュッと抱きしめ聞いてきた櫂翔に首を振る。 「…甘えたい…だけ…。」 そう言えば、櫂翔は安心した様にまた目を閉じた。 しばらく甘え、抱きしめられている腕をほどき、櫂翔を起こさない様に布団から出て、シャワーを浴びに向かった。 シャワーから上がって寝室に向かうと、櫂翔はまだスヤスヤと眠っていた。 学校に行かなきゃいけないから櫂翔を起こす。 「櫂翔、起きて?朝だよ。」 何度か揺すると櫂翔が目を開けた。 「おはよう櫂翔。学校の準備しなきゃ?」 目は開けたものの、起き上がる気配がない櫂翔をもう一度呼ぶ。 「ほら起きて?」 寝ている櫂翔を覗き込むと、櫂翔の腕が頭に伸びてきて、そのままキスされた。 チュッと触れるだけのキスをした櫂翔は、また私を抱きしめ眠ろうとする。 「櫂翔寝ちゃダメ。起きて!」 そう言うと櫂翔は目を瞑ったまま言った。 「…李遠がキスしてくれたら起きる…」 「えっ!」 驚き聞き返した。 「キスしないなら後から行くぞ。ほらしないなら寝よう。」 櫂翔はそう言いながら、私を布団の中にひきずり込んで抱きしめた。 「…もう…。」 遅刻したくなかった私は櫂翔にチュッとキスを落とすと、頭を持たれ深いキスに変わっていた。 長くキスされ、気付くと櫂翔が私の上になっていた。 「…ゃ…ン…」 優しく頭を撫でられながらキスされたのが気持ちよく、フワフワした気分になっていると櫂翔が言った。 「クスクス。李遠…エロい顔になってる。」 そう言いながら、またキスしてきた。
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