五章

4/57

1836人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
櫂翔と手を繋いで登校したから、通学中にも注目を浴びていた。 靴を履き替えていると、熾遠、葵、侑哉さんにあった。 「李遠おはよ。」 「おはよ、熾遠、葵、侑哉さん。」 私が皆に挨拶していると、侑哉さんが櫂翔に話しかけた。 「櫂翔も最近ちゃんと朝から来るな。」 「李遠が起こすからな。」 「なるほど。いい目覚ましだな。」 「あぁ。」 そう話す二人に話しかける。 「櫂翔、私達教室行くね。」 「あぁ。また昼な。葵、今日は屋上だ。」 「はい。い~ちゃん行こう。」 「うん。」 そう返事をして葵と教室に向かった。 葵と一緒に教室に向かった為、女子からの苦情はなかったが、視線が痛かった。 葵は教室につくなり寝始め、私は何事もなく、授業を受けた。 お昼になりお弁当を持って、葵と一緒に屋上に行った。 屋上には既に櫂翔、熾遠、侑哉さんがいた。 「櫂翔、起きろ。」 熾遠が起こすと、櫂翔は不機嫌そうに起きた。 「あぁ?うるせぇよ熾遠。」 いつもより低い声で言った。 「相変わらず寝起き悪いな。…李遠、お前が起こせ。」 熾遠に頷き、櫂翔に近寄る。 「櫂翔、起きて?お昼だよ。」 そう言うと、抱き寄せられた。 皆の前で抱きしめられ、恥ずかしくなり、しっかり起こす。 「櫂翔!!」 「ん?なんだ李遠?」 起きていたのにわざと寝たふりをしていた櫂翔に言う。 「櫂翔、お弁当食べよ?」 「あぁ。」 そう言い離してくれた。 一部始終見ていた皆が驚く。 「…櫂翔が素直に起きた…。」 熾遠が呟いていたが、気にせずお弁当を広げて櫂翔に渡し食べ始める。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1836人が本棚に入れています
本棚に追加