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お弁当を食べていると、熾遠が聞いてきた。
「李遠が弁当作ったのか?」
「うん。学食も飽きちゃうし…ゆっくり食べたかったから。」
「…俺のは?」
「…??ないよ?」
そう話す私達に櫂翔が言った。
「あるわけねぇだろ。お前は銘愛に作って貰え。」
「何でだよ!俺も李遠の弁当食いたいのに!李遠、俺にも作って!」
二人分も三人分も変わらなかったから、頷こうとすると櫂翔に止められた。
「食わせねぇ。お前には銘愛がいんだろ。銘愛に頼め。」
「いいじゃねぇか。可愛い妹の弁当食べたいんだよ!!それに…銘愛には面倒くさいって言われた…。」
最後の方は落ち込みながら、言った熾遠。
そんな熾遠にたいして興味を見せずに櫂翔は弁当を食べ尽くした。
熾遠と櫂翔を見ながら、黙々とお弁当を食べていた。
落ち込んでいる熾遠が可哀想に見え、銘ちゃんにメールしてあげた。
〔熾遠が銘ちゃんの手作りのお弁当食べたいって、落ち込んでるよ?〕
しばらくすると携帯が震え、見てみると銘ちゃんだった。
〔いきなり何で弁当?〕
〔今日、私が櫂翔のと二人分お弁当作ったから、熾遠も私のが食べたいって言ったの。そしたら櫂翔が銘ちゃんに作って貰えって。〕
〔櫂翔が熾遠に李遠ちゃんのお弁当食べさせたくないんだ?〕
〔そうみたい。銘ちゃん作ってあげて?〕
〔わかった。熾遠に電話するね。〕
銘ちゃんとしばらくメールして、最後のメールを見ていると、熾遠の携帯がなった。
熾遠は落ち込みながら電話で話していた。
私がそれを眺めていると櫂翔が話しかけてきた。
「李遠、誰とメールしてたんだ?」
「ん?銘ちゃん。熾遠にお弁当作ってあげてって言ったの。私が作ってもいいんだけど…。」
「それはダメ。李遠は俺のを作ってたらいいんだよ。」
そう言いながら、頭を撫でられ、ポカポカ天気とあわさり気持ち良くなり、目を閉じる。
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