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「どうした?何かされたのか?」
そう聞く櫂翔にフルフルと首を振る。
「何があった。言ってみろ。」
そう言われても、口に出したくなくて、ギュッと抱き着く。
私の行動に櫂翔が少し身体を離し、私の顎を持ち目を合わせさせられた。
「李遠?この前言っただろ。見逃すのは一度っきりだ。何があったか言うんだ。」
そう言われ、また目に涙が溜まってきた。
「李遠、言え。何をされた?何があっても、お前は俺が護ってやる。」
櫂翔の力強い言葉に、ポツポツと話始めた。
「…従兄弟に…抱かれてたんでしょ…って…。穢れた身体で…櫂翔達と…よく一緒に…いれるなって…。櫂翔達と…交代で…皆と…寝てるんでしょ…って…。」
そう言うと櫂翔は無言になった。
話ながら涙が止まらなくなり泣きながら櫂翔に話した。
「誰が言った?」
「…知ら…ない…。…わ…私が…汚いから…櫂翔…と…いちゃ…ダメなの…?…私が…あいつに…抱かれてたから…」
そこで言うと、櫂翔はギュッと抱きしめてくれた。
「落ち着け…李遠…。お前は汚れてなんかいない…。」
櫂翔の声が聞こえたが、私は悪い方にどんどん考えていた。
「…ただ…櫂翔の…側に…いたい…だけなのに…。…私は…あいつの…オモチャ…から…逃げれない…の…」
泣きながら呟いていると、段々息苦しくなってきた。
「李遠?」
私の異変に気づき櫂翔が私を呼んだ。
返事をしたくても、しっかり呼吸が出来なくて、櫂翔に助けを求めた。
「…か……い……と……。」
「李遠!」
苦しむ私に櫂翔はキスをしてきた。
…私は…そのまま…暗闇に…落ちていった…。
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