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櫂翔は何度も角度を変えキスを繰り返した。
「…ン…か……い…と……」
キスの合間に呟けば、櫂翔はそのたびに激しくキスをしてきた。
ようやく唇が離れた頃には、頭の中が真っ白になっていた。
「李遠…今は俺の事だけ考えて眠るんだ。俺はお前から何があろうと離れない。」
そう言う櫂翔に私は思いきって言った。
「…櫂翔…抱いて…」
そう言うと櫂翔は困った様な顔をした。
…やっぱり…私なんて…抱けないか…。
そう思うと、また涙が流れた。
「っ!ご…ごめん…。…抱けない…よね…。…私なんて…抱いたら…櫂翔が…穢れちゃう……」
そう言いながら、櫂翔から目を反らし泣いた。
「…李遠…」
優しく呼ばれたけど、櫂翔を見ることは出来なかった。
「李遠…俺を見ろ。」
首を降り櫂翔を見ないまま言った。
「…ごめん…ごめんなさい…。…抱いてなんて…もう言わないから…。
………だから………嫌いに………ならないで………」
そう言うと櫂翔は、はぁと溜め息をついた。
嫌われたと思い、ビクッとしてまた謝った。
「…ごめん…ごめん…なさい…。……側に…いて…くれる…だけで…いいから…。」
「李遠、俺を見るんだ!」
うわ言の様に呟く私に、櫂翔は無理矢理私と目を合わせてきた。
「…ごめん…なさい…ごめ…ん…なさ…い…。……嫌いに……なら…ない……で……」
それでも謝り続ける私に櫂翔は言った。
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