五章

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やっぱり好きな人に抱かれるのは違うと思った。 どこまでも優しく抱いてくれた櫂翔。 涼の時は痛くて、気持ち悪かっただけだけど、櫂翔に抱かれたらそんな事はなかった。 逆に幸せな気持ちになり、何にでも立ち向かえる気がしていた。 眠りに落ちる直前、櫂翔の声を聞いた様な気がした。 「李遠…必ず護る。…愛してるよ…。」 夢か現実か解らないけど、現実ならいいな…と思いながら眠りに落ちていった。 櫂翔side 泣きじゃくって抱いてと言う李遠に我慢が出来なくなった。 今抱いたら、壊れそうで怖かったが、逆に頑張れるからと言った李遠。 そんな李遠に理性が崩れた。 もう一度、男を受け入れるのは、想像も出来ないぐらい怖かっただろう。 …途中…涼の事を思い出したのか、身体に力が入ったが、俺が呼べば大丈夫とでも言うように、俺の名前を呼ぶ。 そんな李遠を怖がらせないように、名前を呼ばせながら、優しく抱いた。 事が終わり、疲れて泣きながら寝そうになる李遠に、頭を撫でながら言った。 「李遠…必ず護る。…愛してるよ…。」 そう言うと、嬉しそうに、微笑みながら眠る李遠。 熾遠にも言ったが、李遠は一生涯、俺が護る。 とりあえず…今日李遠を泣かせた奴は見せしめにしてやる。 本当はこんな事でチームを動かすのは、トップのする事じゃないと、解ってはいるが、李遠の事になると、我慢が出来ない。 チームの奴らも李遠を大切にしてくれているから、納得してくれるだろう。 そう考えながら、眠る李遠を抱きしめ、俺も眠りに落ちていった。 櫂翔side end
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