五章

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熾遠side 櫂翔から電話がかかってきて、何かと思えば李遠の事だった。 櫂翔の話を聞いてキレた。 …俺も櫂翔も忠告はしたんだ。 それでも李遠に手を出したやつを野放しにはできない。 櫂翔の電話を切ると、イライラした俺に葵と侑哉が不思議そうに見ていた。 怒りを押さえながら葵に聞いた。 「葵…今日、李遠に何があった?」 「あ…5限が終わって…トイレに行った見たいですが…戻ってきたら様子が変でした。」 「そうか。侑哉、鬼神探ししてる、うちの学校に通ってる奴らを今すぐ呼び戻せ。」 「は?何で?」 「いいから集めろ。」 「…わかった。」 怒りを押さえきれない俺に、侑哉は慌てて携帯で連絡を始めた。 数十分後…俺達の学校に通う奴らが集まった。 そいつらの前に立ち話す。 「…この中で1年は前に出ろ。」 そう言うと、10人ぐらい前に出た。 「この中で、5限終了後、李遠を見た奴はいるか?」 「あ…俺、李遠さんがトイレに行くの見ました。 」 「その時、李遠に変わった様子はなかったか?」 「普通でしたよ?出てきたのは見てませんが…」 …やっぱりトイレの中で言われたのか…。 そう考えながら、全員に言った。 「李遠が入ったその時間に、同じトイレを使ってた奴らを今すぐ探しだして、俺の前に連れてこい。」 「…え?」 静かに言う俺に皆が困惑した。 「ゴチャゴチャ言わずに行け!…今すぐ探し出せ!必ず俺と櫂翔の前に連れ出せ!!」 ガンッと壁を殴りながら言えば、全員がビクッとしながら返事をした。 「は…はい!」 全員が行ってから、俺もバーを出ようとすると、侑哉に止められた。 「まて熾遠!!どうしたんだ!?」 「…李遠が…女達に言われたらしい…。俺達に交代で抱かれてるんだろって。涼にヤられた事も知ってたらしい。 忠告はしてたんだ…。もう許さねぇ…。侑哉も情報を集めろ…。俺も出る…。」 そう言い残し、バーを後にした。
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