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教室に戻ると、葵に叫ばれた。
「あ!い~ちゃん。どこ行ってたの?」
とりあえず、席に座わりさっきの事を話す。
「ジュース買いに行ったら絡まれてた。」
「えっ!?大丈夫だった?」
心配してくれる葵に笑いながら答えた。
「先輩が助けてくれたから。」
「なら良かった。い~ちゃんは可愛いんだから気を付けなきゃダメだよ?」
「そうだね。」
その後は葵が話しているのを聞いていると、担任がやって来た。
「HR始めるぞ。」
そういい皆が席に着いたのを確認して、話を始めた。
この学校は不良校だが、朝と帰りのHRにさえ居れば単位をくれるらしい。
まぁ…テストも少しは関係してるらしいけど…。
そんな事を考えていると、いつの間にかHRが終わって皆が帰って行っていた。
私も帰る様に席を立つと葵が話しかけて来た。
「い~ちゃん。帰るなら、外まで一緒に行こう?」
また絡まれるのもイヤだから葵と一緒に教室を出た。
下駄箱まで行く間に葵は、この学校の色んな話をしてきた。
そんなに詳しいなら、もしかして熾遠の情報も聞けるかと思い、聞いてみた。
「ねぇ葵?」
「なぁに?」
「結城 熾遠って知ってる?」
葵は驚いた顔をして私を見ながら言った。
「い~ちゃん熾遠さんは知ってるんだ?」
「まぁ…。熾遠今日来てるかわかる?」
「えっ?熾遠さんは…どうかな?」
そう言われ、今日は帰りだしと思い熾遠を探すのを諦めた。
「い~ちゃん?熾遠さんに用事?」
不思議そうな顔で訪ねてくる葵に、私は
「ん~?用事ってほどでもないけどね?」
そう言うと、葵は何かを考え始めた。
「熾遠さんに連絡取ろうか?」
「いいや。学校に来た時に会えるだろうし…。」
そう言うと、とりあえず頷いてくれた。
「ねぇ、い~ちゃん。熾遠さんとの関係って…?」
葵は気になったのか聞いてきた。
「…秘密。とにかく熾遠に私の名前言ったら分かるから。」
そう言いながら、歩いていると、いつの間にか下駄箱に来ていて、葵と靴を履き替えていると、きゃ~と遠くで女の子達の悲鳴に似た黄色い声が響いた。
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