五章

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櫂翔side 3限の終わり頃、李遠から電話がなった。 屋上にいた俺は電話をしながら、李遠のもとに向かう。 途中、李遠の声が聞こえなくなり、焦って呼べば、男が電話にでた。 言いたい事だけ言って電話を切られたから、俺は更衣室に走りながら、熾遠に連絡する。 〈どうした櫂翔?〉 「李遠が拐われた。涼が来てるらしいから鬼神だろ。侑哉にどこにいるか探させろ。熾遠は学校の中を探せ!」 〈なっ!わかった。〉 すぐに電話にでた熾遠に軽く説明して電話を切った頃、ちょうど更衣室についた。 中には誰も居なく、李遠の携帯だけが残されていた。 「クソっ!」 ドアを殴り付け更衣室を出ると、葵が来た。 「櫂翔さん!い~ちゃんは…」 「拐われた。」 「い~ちゃん虐めてた女が見つかりましたが…」 「居場所だけ常に掴んどけ。今は李遠を取り戻すのが先だ。」 「はい。あと…」 「なんだ?」 「い~ちゃんが男に追われてたので、やり合ったんですが…」 「そいつらに涼の居場所を吐かせろ。たぶん鬼神のメンバーだ。」 「わかりました。すぐに吐かせます。」 葵はそう言うと、走っていった。 「櫂翔!」 葵と入れ違いで熾遠が来た。 「ダメだ。学校にはいない。裏門から知らない奴が出たのを見た奴がいる。」 「わかった。全員集めろ。街にいる奴らにも李遠を探させろ。」 「あぁ。」 「行くぞ!」 そう話しながら、熾遠と歩き出し、バイクを取りに行った。
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