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大河さんが帰って、しばらく呆然としていた。
「なんか…楽しそうな人だね?」
ポツッと呟いた私に、櫂翔は私の頭を撫でながら言った。
「あいつは楽しければ何でもするやつだからな。実際、中学のクラスメート全員騙して紅蓮に引きずり込んだからな。」
「クラスメート全員!?」
「あぁ。綾達三つ子とその彼女だけ逃れたらしいけどな。」
「…なんか…スゴいね。」
何だか凄い話を聞いた気がしていた。
「ところで李遠?」
熾遠に話し掛けられ返事をした。
「なぁに?」
「学校でお前に手を出した奴等は同じクラスか?」
「えっ!?…なんで?」
自分で解決しようと思っていたから、驚きながら聞いた。
「もうお前に手を出させない様にする。」
「熾遠!?でも…私が自分で解決するから…」
そう言うと、今まで黙って私と熾遠の会話を聞いてた櫂翔に話し掛けられた。
「李遠…見逃すのは一度っきりだって言っただろ?この前も泣かされたじゃねぇか。」
「あ…あれは…動揺しちゃっただけで…。まだ大丈夫だよ?この前も女子に囲まれたけど勝ったし…。」
「ダメだ。」
「でも…女子の事は私が何とかする。だから…櫂翔達は何もしないで?」
「…昨日みたいな事になったらどうするんだ?何かあってからじゃ遅いんだぞ?」
「…何かあったら…すぐに連絡するから…。…ダメ?」
そう言っても、櫂翔も熾遠も折れる様子はなかった。
しばらく無言が続き、私の諦めないって目に熾遠が溜め息をついた。
「はぁ…。櫂翔…無理だ。こうなった李遠は言うことを聞かない…。」
熾遠の言葉に櫂翔も呆れた様に溜め息をついた。
「…じゃあ…約束しろ。呼び出されたりしたら、すぐに連絡いれろ。それと…待つのは1週間だけだ。 いいな?」
そう櫂翔に言われコクコクと頷く。
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