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「で?李遠ちゃんは誰にヤられたんだ?」
黙って私達を見ていた弘人さんが言った。
「…あ…自分で…刺しました…。」
私の言葉に、熾遠と弘人さんは驚いていた。
「李遠?何で自分で刺したんだ?」
「…最初…首に当てられてて…あの男に触られてるのが…気持ち悪くて…。」
そう言うと、熾遠と櫂翔は溜め息をついた。
「ごめんなさい…櫂翔…」
櫂翔に抱きつきながら謝った。
「…もう二度と無茶するなよ?」
そう言う櫂翔に頷き、熾遠の方を見れば、弘人さんと話していた。
「チーム関係か?」
「いえ。イジメからですね。」
「ふぅん。終わったのか?」
「きっちりと。」
そう話す二人を見て、私は改めてお礼を言った。
「あの…ありがとうございました。」
「いや良いよ。櫂翔が女の子抱えて来たのには驚いたが…。」
「弘人さん。改めて紹介しときます。俺の妹の李遠。櫂翔の女ですよ。」
「そうか。李遠ちゃん。俺は弘人。こいつらの先輩だ。」
そう言われペコリと頭を下げた。
「じゃあ帰ります。弘人さん、ありがとうございました。」
「あぁ。また明日連れて来い。しばらくは通院しろ。またね李遠ちゃん。」
「はい。」
櫂翔は返事をすると、私を抱き上げ歩き出した。
私は弘人さんにもう一度頭を下げ、櫂翔の首に腕を回した。
熾遠が受付で薬を貰い、櫂翔がそれを受けとると車に乗り込んだ。
車の中でも、櫂翔の膝の上で抱き締めてて貰い、あの男が言っていた事を櫂翔達に言わなきゃと思い出した。
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