五章

43/57

1835人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
次の日…やっぱり熱が高くなっていた。 目を覚ますと、隣に櫂翔はいなく、ボ~としながら起き上がり、しばらくすると、櫂翔が戻ってきた。 「起きたか?傷と熱は大丈夫か?」 「……うん……」 ベッドに座りながら聞かれ、答えると櫂翔は手をオデコに当てた。 「まだ熱いな。今日はゆっくり寝てろ。」 そう言われ、布団の中に入れられた。 立ち上がる櫂翔を見て、服を掴み引き留める。 「…どこ…行くの?」 「熾遠に休むって電話してくる。少し待ってろ。」 頭を撫でながら言われ、頷いて手を離した。 櫂翔が寝室から出てから、眠気はあったが、櫂翔が戻るのを待ってた。 しばらくすると、水と薬を持ってきた櫂翔は、ベッドに座りながら言った。 「李遠…起きてるなら薬飲んでから寝ろ。」 「…薬…いや…」 「飲まなきゃ熱も下がらないだろ?」 「…やぁ…」 子供の様に嫌がる私を見て、櫂翔は笑っていた。 「わかった。」 そう言われ、飲まなくて良いと思い、安心していると、櫂翔にキスされた。 「…ん…」 キスと同時に水も口に入ってきたから、ビックリしていると、コクンと何かを一緒に飲み込んだ。 私が飲み込んだのを確認すると、櫂翔は唇を離して言った。 「よし。飲んだな?寝てていいぞ?」 薬を飲まされた事に気づき、涙目で言った。 「…わかったって言ったのに…」 「ん?飲まなくて良いとは言ってないだろ?ほら眠いだろ?側にいるから眠れ。」 そう言われ、少しイジケながら、櫂翔の手を握った。 「…手…握ってて…くれる?」 「あぁ。」 櫂翔の返事を聞き、安心して目を閉じた。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1835人が本棚に入れています
本棚に追加