五章

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次に目を覚ましたのはお昼頃だった。 櫂翔は約束通り、手を繋いだまま私の横で寝ていた。 トイレに行こうと、手を離してベッドから出ようとしたら櫂翔が起きた。 「…李遠?どこいく?」 「起こしちゃった?トイレ行ってくる。」 「…あぁ。大丈夫か?」 「うん。」 そう言い、立ち上がり足を引きずりながら、トイレに行った。 トイレから出ると、櫂翔が待っていて抱き上げられた。 そのままリビングのソファーに降ろされ、飲み物を持ってきてくれた。 「李遠、ついでに熱はかれ。」 そう言われ、体温計を挟んだ。 ピピピっと音がなると、素早く櫂翔に取られる。 「まだ熱あるな。李遠、今のうちに病院行っとくか?」 「うん。」 だいぶ寝て、すっきりしていたが、熱はまだ高かったらしい。 櫂翔に抱えられ、ベッドに連れてクローゼットを開けた。 「李遠、これに着替えろ。」 櫂翔が出してくれたワンピースを受けとり、頭から被った。 ジッと見つめる櫂翔に恥ずかしくなり訴えた。 「櫂翔…着替えるから向こう向いてて?」 「いや。」 「えっ?でも…恥ずかしい…」 「今さらだろ?着替えさせてやろうか?」 「えっ!じ…自分で出来るよ?」 「やってやる。ほら手上げろ。」 強制的に脱がされ、パジャマを脱がされた。 すぐにワンピースを着せられてから、ズボンを下ろされた。 「もう…恥ずかしいのに…」 「たまには良いだろ?」 そう言いながら、櫂翔も着替えだした。 櫂翔は着替え終わると、私を抱き上げ玄関に向かった。 「櫂翔…歩けるよ?」 「熱あんだから無理するな。こんなときぐらい甘えてろ。」 そう言い家を出ると、マンションの前には車が止まっていた。 車に乗り込み、昨日の病院に連れていかれた。
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