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櫂翔side
眠った李遠をベッドに寝かせ、熾遠が待つリビングに戻った俺は奴等の状況を聞く。
「熾遠、奴等は吐いたか?」
「吐いたには吐いたが…涼達の居場所までは知らなかった。メールで指示されてたみたいだな。」
「そうか…。とりあえず大河に奴等の携帯に送られたメールを見せろ。あいつなら発信源が探せるだろ。」
「あぁ。なぁ…櫂翔。」
「なんだ?」
「李遠はやっぱり熱出たのか?」
「あぁ。昨日、帰ってから熱が上がってな。昨日からあの状態だ。」
「あいつは熱を出すと、甘えん坊になるんだ。俺がいた頃は俺から離れなかったのに、今は櫂翔だな。それにしても…お前上手く薬飲ますよな?俺でも苦労してたのに…」
「何とか誤魔化してな。昨日の夜は自分で飲んだぞ?」
「そうか。よっぽど辛かったんだな。お前もしばらく学校休むんだろ?」
「あぁ。そのつもりだ。何か解れば溜まり場には行く。」
「わかった。じゃあ俺は帰るな。銘愛も待ってるしな。」
「あぁ。気を付けろよ。」
そう言うと、熾遠は片手を上げて帰っていった。
李遠の様子を見に寝室を覗くと、李遠はグッスリ眠っていたから、その間に風呂に入った。
風呂で奴等をどう追い詰めるか考えていた。
…涼のチームと鬼神…厄介なチームが2つもこの街にいる。
…魁さん達も協力してくれるなら、県境に追い詰めればいい。
ただ…その時李遠を置いていくのは不安だから、早めに綾と合流させて、その間に終わらせたい。
そうなると、夏休みが勝負だな。
ある程度考えが纏まってから風呂から上がり、寝室のドアを開けると同時に李遠の悲鳴が聞こえた。
櫂翔side end
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