一章

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「李遠?まさかな?あいつがこんな学校に居るわけないし…。まぁいいや。今度会いに行くって言っといて?」 そう言う熾遠さんに頷いて聞いてみた。 「熾遠さん。李遠って名前に心当たりあるんですか?」 「あぁ。妹が李遠なんだ。でもあいつが不良校に居るわけないから、名前が一緒なだけだろ。」 「熾遠さん妹さんいたんですね?」 「あぁ。あいつも葵と同い年だよ。」 「へぇ~。熾遠さんの妹なら可愛いでしょうね?」 「おう。可愛いぞ~。」 そんな話をしていると、櫂翔さんに呼ばれた。 「葵。」 「はい?」 「李遠を学校で守れ。他の奴に絡ませるな。」 「はい。」 珍しく櫂翔さんが女の守りを言った。 それには、侑哉さん、熾遠さんも驚いたらしくて、目を見開いていた。 「珍しいな…。櫂翔が女を守れだなんて…。」 侑哉さんの言葉に櫂翔さんが言った。 「気に入ったからな。あいつは俺が貰う。」 櫂翔さんはそう言うと、タバコに火をつけた。 珍しい事もあるもんだと思いながら、俺もタバコに火をつけた。 葵side end
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