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次の日も熱は下がらず、起きるたびに櫂翔を探しては甘えた。
やっと熱が下がったのは、あの日から3日たっていた。
櫂翔に抱きしめられたまま目を覚まし、何とか櫂翔の腕から抜け出した。
グッスリ眠る櫂翔を、少し見てから私はお風呂に向かった。
足の傷は毎日、弘人さんが家まで来てくれて、消毒をしてくれていた。
包帯を外し、シャワーを浴びてからリビングに戻り、包帯をどうしようか悩んでいると、櫂翔が起きてきた。
櫂翔は私を見るなり、抱きしめて聞いてきた。
「風呂入ってたのか?」
「うん。」
「熱は?」
「下がったみたい。大丈夫だよ。」
「そうか。起きたらいないから心配した。」
「ごめんね?グッスリ寝てたから…」
「あぁ。お前がいるならいい。ほら足だせ。巻いてやる。」
そう言い、軽く包帯を巻かれた。
「今から病院行くぞ。準備出来るか?」
「うん。大丈夫。」
櫂翔に返事をして、準備をした。
準備が終わり家を出ると、マンションの前には、いつもの車が止まっていたので、櫂翔に手を引かれながら乗り込み病院に向かった。
病院に着くと、すぐに弘人さんに診察室に通された。
「おはよ李遠ちゃん。熱は下がった?」
「おはようございます。もう大丈夫です。」
「良かった。傷見てもいいかな?」
「はい。」
そういいベッドに上がり、傷を見てもらう。
「うん。だいぶいいね。でもまだ無理しちゃダメだよ?」
「はい。」
素早く消毒してもらい、弘人さんにお礼を言って病院を出た。
熱を出してた間、あまり食べてなかったせいか、お腹が空いてきたので、車に乗ってから櫂翔に言う。
「櫂翔…お腹すいた。」
「何食べたい?」
「ん~?あっさりしたもの?」
「ん。わかった。」
そう言うと櫂翔は、運転手さんに“gale”と言った。
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