五章

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次の日も熱は下がらず、起きるたびに櫂翔を探しては甘えた。 やっと熱が下がったのは、あの日から3日たっていた。 櫂翔に抱きしめられたまま目を覚まし、何とか櫂翔の腕から抜け出した。 グッスリ眠る櫂翔を、少し見てから私はお風呂に向かった。 足の傷は毎日、弘人さんが家まで来てくれて、消毒をしてくれていた。 包帯を外し、シャワーを浴びてからリビングに戻り、包帯をどうしようか悩んでいると、櫂翔が起きてきた。 櫂翔は私を見るなり、抱きしめて聞いてきた。 「風呂入ってたのか?」 「うん。」 「熱は?」 「下がったみたい。大丈夫だよ。」 「そうか。起きたらいないから心配した。」 「ごめんね?グッスリ寝てたから…」 「あぁ。お前がいるならいい。ほら足だせ。巻いてやる。」 そう言い、軽く包帯を巻かれた。 「今から病院行くぞ。準備出来るか?」 「うん。大丈夫。」 櫂翔に返事をして、準備をした。 準備が終わり家を出ると、マンションの前には、いつもの車が止まっていたので、櫂翔に手を引かれながら乗り込み病院に向かった。 病院に着くと、すぐに弘人さんに診察室に通された。 「おはよ李遠ちゃん。熱は下がった?」 「おはようございます。もう大丈夫です。」 「良かった。傷見てもいいかな?」 「はい。」 そういいベッドに上がり、傷を見てもらう。 「うん。だいぶいいね。でもまだ無理しちゃダメだよ?」 「はい。」 素早く消毒してもらい、弘人さんにお礼を言って病院を出た。 熱を出してた間、あまり食べてなかったせいか、お腹が空いてきたので、車に乗ってから櫂翔に言う。 「櫂翔…お腹すいた。」 「何食べたい?」 「ん~?あっさりしたもの?」 「ん。わかった。」 そう言うと櫂翔は、運転手さんに“gale”と言った。
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