五章

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聞いたことない名前だったから、櫂翔に聞いた。 「ねぇ櫂翔?galeって?」 「先代が店出してんだ。その店の名前。」 「ふぅん。」 病院から近かったみたいで、すぐに着いた。 車から降りて、お店を見上げると、おしゃれなカフェだった。 「李遠、行くぞ?歩けるか?」 「うん。大丈夫だよ。」 そう言うと櫂翔は私の手を引き、ゆっくりと歩いてくれた。 ドアを開けると、明るい声が聞こえた。 「いらっしゃい。…ってなんだ櫂翔か。」 「お久しぶりです。疾風(はやて)さん。」 「おぅ。おっ可愛い子が一緒なんて珍しいな。彼女名前は?」 急に聞かれ、ビクッとしながら答えた。 「始めまして。李遠です。」 「李遠ちゃんかぁ。可愛いねぇ。お兄さんと遊びに行こうか?」 困っていると、櫂翔が私を抱き寄せて言った。 「疾風さん。李遠は俺のですよ。手出したら疾風さんでもヤりますよ?」 「冗談だ。お前の女に手出すかよ。しかしお前に女が出来るなんてな。まぁ座れよ。何食う?」 そう聞く疾風さんに櫂翔が言った。 「あっさりしたものでお願いします。李遠病み上がりなんで。」 「了解。李遠ちゃん嫌いなものとかある?」 「えっと…チーズとかは食べれません。」 「わかった。ちょっと待っててね?」 疾風さんは、ウインクをしながら厨房に戻っていった。 「何か…チームの先代って言ったから、もっと怖い人かと思った。」 私が言うと、櫂翔は笑いながら言った。 「あの人は軽いな。李遠?一人では近寄るなよ?」 よく解らないまま頷くと、ドアの近くから笑い声が聞こえた。
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