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聞いたことない名前だったから、櫂翔に聞いた。
「ねぇ櫂翔?galeって?」
「先代が店出してんだ。その店の名前。」
「ふぅん。」
病院から近かったみたいで、すぐに着いた。
車から降りて、お店を見上げると、おしゃれなカフェだった。
「李遠、行くぞ?歩けるか?」
「うん。大丈夫だよ。」
そう言うと櫂翔は私の手を引き、ゆっくりと歩いてくれた。
ドアを開けると、明るい声が聞こえた。
「いらっしゃい。…ってなんだ櫂翔か。」
「お久しぶりです。疾風(はやて)さん。」
「おぅ。おっ可愛い子が一緒なんて珍しいな。彼女名前は?」
急に聞かれ、ビクッとしながら答えた。
「始めまして。李遠です。」
「李遠ちゃんかぁ。可愛いねぇ。お兄さんと遊びに行こうか?」
困っていると、櫂翔が私を抱き寄せて言った。
「疾風さん。李遠は俺のですよ。手出したら疾風さんでもヤりますよ?」
「冗談だ。お前の女に手出すかよ。しかしお前に女が出来るなんてな。まぁ座れよ。何食う?」
そう聞く疾風さんに櫂翔が言った。
「あっさりしたものでお願いします。李遠病み上がりなんで。」
「了解。李遠ちゃん嫌いなものとかある?」
「えっと…チーズとかは食べれません。」
「わかった。ちょっと待っててね?」
疾風さんは、ウインクをしながら厨房に戻っていった。
「何か…チームの先代って言ったから、もっと怖い人かと思った。」
私が言うと、櫂翔は笑いながら言った。
「あの人は軽いな。李遠?一人では近寄るなよ?」
よく解らないまま頷くと、ドアの近くから笑い声が聞こえた。
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