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「今までの櫂翔じゃねぇな。」
麻斗さんが呟くと、弘人さんが笑いながら言った。
「まぁ待て。もうすぐ、もっと面白いのが見れるぞ?」
そう言った直後、バンッとドアが開いた。
「弘人さん!李遠が大変って何があったんですか!?」
飛び込んで来たのは熾遠だった。
「…熾遠?」
キョトンとしながら熾遠を呼べば、ガバッと抱きついてきた。
「李遠?大丈夫なのか?熱は下がったか?何があったんだ?」
一気に言う熾遠に驚きながら、声を出した。
「し…熾遠、落ち着いて?熱は下がったし、私何ともないよ?」
そう言うと櫂翔がボソッと呟いた。
「熾遠…お前、騙されたんだよ。」
「…は?」
「弘人さん達に遊ばれてる。」
櫂翔の言葉に、弘人さんは爆笑した。
「熾遠も何か違うじゃねぇか。李遠ちゃんは何者だ?」
熾遠の行動に、他の三人は驚いていて、麻斗さんが驚きながら聞いた事に、櫂翔が答えた。
「李遠は熾遠の妹ですよ。熾遠はシスコンなんで、李遠が怪我とかしたらこんな感じです。」
「な?櫂翔より面白いだろ?俺も病院で見たとき驚いた。」
櫂翔の言葉に弘人さんが続けて言った。
やっと状況が理解出来たのか、熾遠が弘人さん達に言った。
「弘人さん!俺で遊ばないで下さいよ!!」
「わりぃわりぃ。こいつらが櫂翔に女が出来たって知った時の顔が面白かったからな。今のお前見たら、どんな反応するか気になったんだ。」
「ひでぇ。マジで焦ったのに…。」
「たまには良いだろ。」
そう言いながらも、弘人さんは笑っていた。
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