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一通り笑うと、疾風さんが熾遠達に注文を聞き、厨房に入っていった。
皆の会話を聞きながら、櫂翔の隣で大人しくしていると、疾風さんが厨房から出てきた。
疾風さんは注文された物をそれぞれの前に置き、私にも果物をくれた。
「はい李遠ちゃん。食後のデザートだよ。」
「ありがとうございます。」
お礼を言って食べ始めた。
皆が食べ終わる頃、私もフルーツを食べ終わり、しばらく他愛ない話をした。
「さて…俺はそろそろ行きますね?」
熾遠はそう言いながら立ち上がった。
「なんだ?もう行くのか?」
弘人さんに聞かれた熾遠はすぐに答える。
「はい。今、忙しいんで。」
「チームか?」
「はい。厄介な奴らがいますからね。」
その会話で熾遠達が涼を探しているのが予想できた。
「熾遠…気を付けてね?」
心配になり、私が熾遠に言えば、櫂翔が頭を撫でてくれた。
「心配するな李遠。大丈夫だ。櫂翔、今から大河の所に行ってくるから後から連絡する。」
「あぁ。」
「じゃあ、弘人さん、麻斗さん、要さん、疾風さんまた来ます。」
弘人さん達は声を揃えて、熾遠を送り出した。
不安に思いながら、熾遠を見送った後、櫂翔に聞かれた。
「李遠、俺達も帰るか?」
櫂翔に頷くと、私の手を引き立ち上がらせてくれた。
「じゃあ俺達も帰ります。」
「おぅ。李遠ちゃん薬ちゃんと飲むんだよ?」
弘人に言われ頷いた。
櫂翔とお店を出ると、いつもの車が外で待っていたので、いつの間に呼んだのかな?って思いながら車に乗り込むと、車は家を目指した。
家につき櫂翔と薬を飲む事で揉めていたが、結局は櫂翔に敗けた私は口移しで薬を飲まされた。
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