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ソファーに座り、何をするわけでもなく、櫂翔に寄りかかりながら、テレビを見ていると、薬のせいか眠くなってきて、だんだんと目が閉じていった。
そんな私に櫂翔が気づき、少し身体を離されたから、慌てて目を開けると、優しく微笑む櫂翔が目の前にいた。
「李遠、ベッド行くぞ?」
そう言いながら、私を抱き上げ寝室に向かった。
ベッドに降ろされそうになった時、私は櫂翔と離れたくなくて、櫂翔の首にギュッと手を回した。
「何処にも行かねぇから。一緒に寝るぞ。」
そう言い櫂翔もベッドに入り、ギュッと抱き締められ、安心して目を閉じて眠りに落ちていった。
目が覚めると辺りは薄暗く、隣には櫂翔の温もりがあった。
櫂翔は私を抱き締めながらグッスリ眠っていて、私はその寝顔に何故か安心感があった。
しばらく眺め、櫂翔のサラサラの髪が気になり、そっと手を伸ばし撫でていると櫂翔が目をさます。
「…ん?」
「あ…ごめん。起こしちゃった?」
「いや…大丈夫だ。」
そつ言いながら、寝起きで掠れた声で呟く櫂翔にドキッとした。
櫂翔は起き上がり、手を繋いだままタバコに火をつけた。
私は無意識に櫂翔に抱きついた。
そんな私を櫂翔は、タバコを持ってない方の手で抱き止めた。
「どうした?夢でも見たか?」
そう言う櫂翔に何も言わずにただ抱きついていた。
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