五章

57/57

1836人が本棚に入れています
本棚に追加
/592ページ
銘ちゃんと話しながら櫂翔の所に戻ると、すでに熾遠が座っていた。 櫂翔の横に私が座ると、銘ちゃんはメニューを見始めた。 「李遠大丈夫か?」 「うん。でも熾遠?なんで来たの?」 「ん?銘愛が李遠を心配してたから。」 「あぁ…なるほど。」 話をしていると、私と櫂翔が頼んだ物が来た。 熾遠達は、その次いでに注文をしていたから、温かい内にドリアを食べ始めた。 「李遠も食欲出てきたなら大丈夫だな。」 「うん。本当に心配させてゴメンね?」 「あぁ。頼むから無茶するな。櫂翔がキレたら押さえるのが大変だからな。」 そう言われ、あの時の事を思い出した。 「あの時、櫂翔を誰が止めたんだっけ?」 「覚えてないのか?」 「ん~?首にナイフ当てられた所までは、ハッキリ覚えてるんだけど…」 そう言うと、櫂翔と熾遠は複雑そうな顔をしながら私を見て、熾遠が話してくれた。 「俺が駆けつけた時、李遠は呆然としてたもんな。俺が李遠の止血をして、声をかけても反応が薄くてな、李遠の視線の先にはキレた櫂翔がいた。殺しそうな勢いだったから、俺達5人ぐらいで押さえつけた。その時に李遠が櫂翔を呼んで、櫂翔が正気に戻ったんだ。」 「そっかぁ。そんな事があったんだ。」 他人事の様に呟けば、熾遠に呆れたように言われた。 「お前なぁ…。まぁ…しかしよく櫂翔があれだけで正気に戻ってくれたよ。」 「あぁ。李遠の声が聞こえたからな。じゃなきゃ、殺してたな。李遠に手を出したんだから、当然だろ。」 熾遠の言葉に櫂翔は平然と言った。 そんな話をしながら、ご飯を食べて熾遠達とわかれ、家に帰った。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1836人が本棚に入れています
本棚に追加