一章

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学校から帰り、家の前に着いてしまった。 ふぅと深呼吸してから玄関を開けた。 「ただいま…」 誰も返事してくれないのは解っていたが、昔からの癖は直らない。 そのまま着替えようと階段に向かうと、リビングの扉が開いた。 出てきたのは叔父さんだった。 「なんだ…帰って来たのか…。」 そう言われ、ビクッとした。 「まぁ…ちょうどいい。ちょっと来い。」 叔父さんはそう言いながら、私の腕を掴みリビングに引き入れた。 私はそのまま引っ張られ、ソファーに押し倒された。 ビクッとして、叔父さんを見上げれば、イヤらしい顔付きで見られた。 「おい李遠。面倒見てやってんだから、恩返ししろ。」 そう言いながら、身体を触ろうとしてきた。 「っ!いやぁ!!」 とっさに叫び、飛び起きようとすると、殴られる。 「ちっ!抵抗するな。恩返しぐらいしろ!何年面倒見てやってると思ってる!」 叔父さんは言いながら、私を殴り続けた。 抵抗も出来るけど、殴られている時に反抗すると、さらに酷く殴られる。 今までも何回もそんな事があり、早く叔父さんが満足してくれる様に祈りながら我慢する。 熾遠がいない時はいつもそうなる。 最近は熾遠が帰って来ないから、さらに酷くなっていた。 しばらく殴り続けた叔父さんは満足したのか、リビングから出ていった。 私は痛む身体を引き摺りながら、今の内と思い部屋に行った。
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