六章

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昼休みになり葵と屋上に向かう。 やっぱり女の子達の視線は凄かったけど、悪口は聞こえてこなかった。 休み時間に葵に話を聞いていたが、チェーンメールがここまで凄いとは思わなかった。 屋上の扉を開けると、すでに櫂翔達がいて中に入ると、メンバー達からまた大丈夫?と声を掛けられた。 皆に返事をしながら、櫂翔の所に行きお弁当を取り出した。 熱が下がり、脚の痛みもなくなった頃から、ご飯を作ろうとしてたけど、そのたびに櫂翔が心配して、なかなか作らせてくれなかったから、お弁当は櫂翔を起こす前に作った。 お弁当を広げていると、櫂翔が不思議そうに聞いてきた。 「李遠?いつ作ったんだ?」 「櫂翔起こす前。だって櫂翔起こしてからなら作らせてくれないでしょ?」 「当たり前だ。お前は怪我治す事だけ考えてればいいんだよ。」 「もう大丈夫なのに…。」 「弘人さんにも言われてるだろ?まだ完治はしてないんだからな?」 「わかってるよぉ。ほら食べよ?」 櫂翔のお説教から逃げる様にお弁当を差し出せば、櫂翔は渋々受け取ってくれた。 他愛ない話をしながらお昼休みを過ごし、気付けば放課後になっていた。 HRが終わると、お迎えは櫂翔が来て、皆で溜まり場に向かった。 溜まり場でも皆に声を掛けられ、話しながらメンバー達と走り回りながら遊んでいると、メンバーは慌てて走らないで!と言い出し大丈夫な所を見せようとしていたら、櫂翔に捕獲された。 「李遠…まだ走るな。」 「でも大丈夫だよ?」 「ダメだ。傷口が開いたらどうすんだ?」 「…はぁい。」 しばらくは走り回れないなっと思いながら、櫂翔とソファーに座り葵達とトランプで遊んだ。
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