六章

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テスト当日 クラスでは皆が勉強していた。 葵やメンバー達も最後の追い込みの様に、必死に私に聞きに来ていた。 しばらくすると先生が来て、テストが配られた。 気持ちを落ち着け、問題を見ると目を疑った。 …何…これ? 小学生でも出来そうな問題に苦笑いが出た。 熾遠達が簡単と言ってた意味がわかった。 サクッと問題を解き時計を見れば、始まって10分しか立ってなかった。 周りをチラッと見れば、数人唸りながら問題を解いていた。 前の席に座る葵も、たまに唸っていた。 難しい所あったっけ? そう思いながら、机に顔を伏せて時間が過ぎるのを待った。 チャイムがなり、テスト用紙を集めた先生が教室から出ると、皆が一斉に背伸びをした。 葵は振り向き私に聞いてきた。 「い~ちゃん。難しかったねぇ。出来た?」 どこが?って言いそうになり、何とか踏みとどまり、葵に返事をする。 「…うん。大丈夫だよ。」 時差に葵は出来が悪かったと思ったのか、何故か慰められた。 そんな時間が繰り返し、お昼になり櫂翔達の待つ食堂に葵と向かう。 櫂翔達はまだ来ていなかったから、注文して葵が持ってきてくれるって言ったから、席に座って待った。 しばらく待つと、女の子達の悲鳴が聞こえたから、櫂翔達が来たなっと思って眺めていると、熾遠と一緒に歩いて来た。 「テストどうだった?」 櫂翔は隣に座りながら聞いてきた。 「テストは余裕だよ…。」 そう答えると葵が叫びながら言った。
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