六章

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「い~ちゃん出来なかったんじゃないの!?」 「出来たよ。簡単だったし…」 「あぁ…一緒に補習だと思ったのに…」 私の答えを聞いて、落ち込みだした葵を見て、熾遠は爆笑していた。 「あははは。葵バカだなぁ。あんなのも出来なかったのか?」 「熾遠さん難しかったんですよ!?まさかい~ちゃんが出来てるとは思いませんでした。」 「昔から李遠は頭いいぜ?」 葵と熾遠の会話を聞きながら、とりあえずご飯を食べ始めた。 のんびりと食堂で過ごし、チャイムがなってから葵と教室に向かう。 この学校は1日でテストが終わるから、いつもより終わるのが遅い。 学校が終わったのは、いつも溜まり場にいる時間だった。 櫂翔と学校を出て、車に乗り込むと、車は溜まり場を過ぎていった。 「櫂翔?どこいくの?」 「病院。今日呼ばれてるだろ?」 「あっそっか。」 傷を見るからと、前から弘人さんに呼ばれていたのを思い出した。 病院につき、弘人さんに傷を見てもらう。 「うん。いいみたいだね。李遠ちゃん?もうこんな無茶したらダメだよ?」 「はい。ありがとうございました。」 弘人さんから完治のお許しが出て、嬉しくなり微笑みながら頷いた。 「良かったな李遠。弘人さん。お世話になりました。」 櫂翔はそう言い、私の頭を撫でながら立ち上がり、病院をあとにした。
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