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終業式が終わり、すぐにマンションに帰って来た。
数日分の自分の着替えと、櫂翔の着替えをボストンバックに詰め込んだ。
フッと気が付き櫂翔に聞く。
「ねぇ櫂翔?」
「ん?」
「何日ぐらい行くの?」
「1週間ぐらいだな。準備は終わったか?」
「うん。ある程度は入れたよ。」
「来い李遠。」
優しく櫂翔に呼ばれ、櫂翔が座るソファーに腰掛けた。
私が座ると、いきなり櫂翔は抱き締めてきたから不思議に思いながら聞いた。
「櫂翔?」
「李遠。魁さん達の所に行ってる間に涼達の事を終わらせる。」
「………えっ?」
「今、県境に追い詰める様に仕向けてる。奴らの居場所も解ったし、俺達が動く間お前は綾達と居てくれ。」
いきなりの話しに頭がついていかなかった。
櫂翔に抱き締められながら、言われた事を整理する。
…涼達の事を終わらせる…。
…俺達が動く間お前は綾達と居てくれ。
「…あ…」
なんて言ったらいいか解らず口ごもった。
そんな私に櫂翔は、ゆっくり説明してくれた。
「お前が誘拐された後から動いてはいたんだ。最近やっと見つけて、うちのメンバー達に見張らせてる。魁さんや大河達も準備出来てる。
もう少し早くに潰す事も出来たが、俺達が出てる間に李遠に何かあるのがイヤだった。だから魁さんと話して、夏休みに入ってからすぐに動く事になった。」
私が知らない間に、そんな事になっていたなんて…。
ジッと櫂翔の話を聞きながら、そんな事を思った。
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