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しばらく泣き続け、ようやく涙が止まった頃、櫂翔が言った。
「落ち着いたか?」
「……うん。」
「一人にして悪かった。ぐっすり寝てたから起こさずに行ったんだ。次からは連れていくから。」
「………うん。」
私が返事をすると、チュッとキスを落とされた。
「李遠、行く用意しろ。綾が待ってるぞ?」
「うん。」
櫂翔に返事をして準備を始める。
寝起きで泣いたため、瞼が腫れているのを、化粧で誤魔化しなんとか準備をおえて、リビングに戻ると、すでに準備が終ったらしい櫂翔がソファーに座っていた。
「櫂翔、お待たせ。」
「あぁ。行くか。」
そう言い右手に荷物を持ち、左手は私に差し出した。
差し出された手を握り家を出ると、いつもの車が待っていて乗り込んだ。
私達が乗るとすぐに車は動きだし、綾さん達の街に向かっていた。
「ねぇ櫂翔?」
「ん?」
「どれぐらいで着くの?」
「2時間ぐらいだな。」
「そっか。熾遠達は?」
「熾遠と銘愛はもう行ってる。まぁ、熾遠はこっちに戻るけどな。変わりに葵とメンバーの半分がいる。」
「そうなんだ。」
「あぁ。こっちも空には出来ないからな。俺は向こうに行くから、熾遠と侑哉が留守番みたいな物だ。」
チームも大変なんだって思いながら、櫂翔の話を聞いていた。
私が涼に立ち向かう事が出来たら、メンバーを半分にする必要がなかったのかも…。
そう思い聞いてみた。
「ねぇ…櫂翔?」
「どうした?」
「私が…いるから?」
「ん?」
「私が…いるから…メンバーを半分に分けたの?…私が…迷惑…かけたから…。」
「李遠…」
そう言うと、櫂翔は驚いた顔をしながらも、真剣な眼差しで私を見た。
「それは違う。魁さん所の連合も少しこっちに来てる。もともと分けるつもりだったんだ。
それに…俺が向こうに行くのは、李遠と離れたくないからだ。向こうは妃那さん達がいるけど、李遠は妃那さんと綾ぐらいしか知らないだろ?銘愛は向こうのメンバーとも仲がいいからな。熾遠が動くのが一番いいんだ。
だから…李遠のせいじゃない。」
「…うん」
櫂翔の話を聞き、頷いてから、少しメンバーに申し訳なく思いながら櫂翔に寄り添い着くのを待った。
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