六章

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2時間後… いつの間にか眠っていたらしい私は、櫂翔に起こされ目を覚ました。 「李遠、着いたぞ。」 「…ん?」 目を擦りながら外を見れば、何処かの倉庫に着いていた。 「ここどこ?」 「宝龍…魁さん達の溜まり場。ほら降りるぞ。」 そう言い私の手を引きながら、車から降りた。 倉庫の外には沢山の不良くん達がいて、私達をジッと見ている。 余りの数に櫂翔の後ろに隠れていると、誰かが倉庫から出てきた。 『李遠ちゃぁ~ん!!』 ピョコンと櫂翔の背中から顔を出して、声がした方を見れば綾さんが走って来ていた。 「綾さん!」 『いらっしゃい李遠ちゃん!!怪我はもういいの?』 「はい。心配かけちゃったみたいで、ごめんなさい。」 『本当に心配したんだからね?もう無茶しちゃダメだよ?』 「はい。」 櫂翔に隠れながら話していると、櫂翔は苦笑いしながら、手をギュッと握ってくれていた。 『ところで…なんで櫂翔くんに隠れてるの??』 「…えっと……何か…ジッと見られてて…」 『あぁ!!皆~見すぎて怖がられてるよ!』 そう言うと、不良くん達は口々に綾さんに言っていた。 「いや…blue moonの櫂翔さんが女と来たから…」 「綾さん!俺達見てただけっすよ!!」 『こんなイカツイ皆にジッと見られたら、普通は隠れたくなるよ!!』 「綾さんひでぇ。」 綾さんとジャレあう人達を見て、悪い人達ではないと解っていても、少し怖かったから櫂翔にくっついていると、聞きなれた声がした。
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