六章

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謎の二人は綾さん達が腕から抜け出したのを見て、“戻ってこぉい”っと言っていた。 そんな二人を見ていると櫂翔は私を立たせ、あの二人に近づき後ろから蹴ったからびっくりして櫂翔を見上げた。 「「いたっ!誰だ…って櫂翔か。何でいきなり蹴るんだよ。」」 二人で声を揃えて叫ばれたから、私はビクッとして櫂翔の後ろに隠れた。 「凪、陽…うるさい。李遠が怯えるから叫ぶな。」 櫂翔はそう言いながら、私を抱き締めてくれた。 「「…は?………櫂翔に………女ぁ!?」」 また二人は叫び、その声に私は櫂翔にギュッと抱きついた。 二人は叫んだ瞬間櫂翔に蹴られてた。 「痛い!櫂翔蹴るな!」 「何で蹴るんだよ!」 「李遠が怯えてるし、うるさいから。それに…お前らさっき李遠突き飛ばしたから。」 そう言いながら櫂翔は私の手を引きソファーに座った。 隣に座りキョトンとしていると、櫂翔が頭を撫でながら言った。 「李遠、あいつらは凪と陽。一応紅蓮の総長達だ。」 「…紅蓮…って…大河さんの所?」 櫂翔に聞くと、ドアの近くから返事が返ってきた。 「そうだよ李遠ちゃん。」 「こんにちは大河さん。」 「うん。こんにちは。凪さん、陽さん、そこ邪魔ですよ。」 大河さんはそう言うと、二人をソファーにまで引きずってきた。 ソファーに近づくとポイッと離し、座りながら魁さんに話しかけた。 「魁さんお待たせしました。」 『いや大丈夫だ。』 そう話す魁さんと大河さんに凪さんと陽さんは叫ぶ。 「大河!総長はもっと丁寧に扱えよ!!」 「櫂翔も何で魁はさん付けで、俺達は呼び捨てなんだよ!?」 そんな叫びを大河さんは無視していて、変わりに魁さんと櫂翔が話した。 『お前らに威厳がねぇからだろ。』 「確かに魁さんの言うとおりだな。尊敬出来るようになったら、さんつけてやるよ。」 「「…何だよ…コイツら…」」 凪さんと陽さんはそう言いながら、部屋の隅でイジケ出した。
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