六章

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「あの子可愛いよね?」 唯さんに言われ思わず頷いた。 それを見た銘ちゃんはクスクス笑っていた。 「クスクス。紹介するね?葵~こっち来て!」 銘ちゃんに呼ばれ、葵は男の子と一緒に来た。 「blue moon幹部の葵だよ。」 そう言うと葵は目をキラキラさせながら喋った。 「可愛い子がいっぱいだぁ!始めまして葵です。フリーなら友達になってください!!」 いきなりナンパ紛いな事を言い出した葵に、私と銘ちゃんは苦笑いしか出なかったが、さっき話していた男の子が葵の頭をポカリと叩いた。 「いたっ!隼人さん何で叩くんっすか?」 「アホか。ナンパすんな。皆男いるよ。ちなみに…渚は俺んだ。」 「えぇ~!俺も彼女欲しい~!!」 ギャアギャア言う葵をほっといて、隼人さんが私の方を向いた。 急に見られビクッとしてしまい、慌てて銘ちゃんの手を握った。 「銘愛さん久しぶり。始めまして李遠ちゃんだよね?」 「は…はい。」 「怖がらなくても大丈夫だよ。大河から聞いてたんだ。櫂翔に可愛い彼女が出来たって。」 そう言われ気持ちが落ち着き、銘ちゃんから手を離した。 『李遠ちゃん、隼人も紅蓮の幹部何だよ!』 綾さんに言われ、なるほどっと頷いたら、今度は銘ちゃんが葵に叫んだ。 「葵、いつまでもうるさいわよ!」 「だって銘愛さん…可愛い子がいっぱいいるのに…。」 「なら手を出してみれば?ちなみに、みぃちゃんは朔の彼女だし、月ちゃんは颯の彼女、唯ちゃんは大河の彼女よ?」 「うわぁん。銘愛さんのイジワル~。朔さん達の彼女に手出したら殺されるに決まってるのにぃ~!!隼人さぁん、女紹介して下さいよ~!!」 銘ちゃんの言葉に葵は泣き真似をしながら、隼人さんに抱きついた…と思ったら、隼人は葵を避けたから、葵はズサァとそのまま転けていた。 「…抱きつくなよ。今度、紹介してやるから………タブン」 「避けないで下さいよ…。絶対紹介して下さいね?」 そう言いながら立ち上がる葵に隼人さんは、はいはいっと流していた。
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