六章

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食事が終わると、皆で綾さん達の家に移動した。 高級マンションっぽい所に来たから、ポカンっと眺めていると櫂翔に呼ばれた。 「どうした李遠?」 「や…スゴいお家だなぁって思って…」 「クスクス。家と変わらないだろ?」 「そっかなぁ?」 「ならもっと良いとこに引っ越すか?」 「えっ!?いいよ…今でもお家広いし…」 そう話してると紅葉ねぇに聞かれた。 『李遠は櫂翔と暮らしてるの?』 「はい。」 『じゃあ櫂翔の家にも行ってみたいわ。』 「えっと…いつでも来て良いですよ?」 『本当?じゃあ今度行く!!』 『紅葉ねぇズルい!李遠ちゃん、私も行きたい!!』 紅葉ねぇと話してると、綾さんが叫び皆が同意していた。 どう反応しようか、隣の櫂翔を見れば笑いながら、私の代わりに答えてくれた。 「クスクス。皆でくればいいさ。さて…李遠、俺は行くぞ?」 「あ…うん。いってらっしゃい。」 「そんな不安そうにするな。すぐ近くにいるから、寝れなかったら電話しろ。綾達がいるから大丈夫だろ?」 「うん。」 「よしイイコだ。綾、銘愛、頼むな?」 『まっかせて!寂しいなんて思わせないから。』 「あぁ。また明日な李遠。」 綾さんの返事を聞き、私にキスをして櫂翔は車に乗り込み去っていった。 皆の前でキスされて、顔が真っ赤になりながら、立ち尽くしていると、綾さんに手を引かれて歩き出した。 『さっ李遠ちゃん行くよ!』 「はい。」 『それにしても…櫂翔くんも李遠ちゃんにベタぼれね?』 「えっ!?」 『クスクス。後で詳しく聞かせて貰うからね?』 意地悪そうに笑う綾さんに、少し身の危険を感じながらマンションに入って行った。
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