六章

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最上階まで登りると、綾さんには二つある内の奥のドアに鍵をさし開けて、中に入って行く。 手を引かれて歩く私も必然的に部屋に吸い込まれて行った。 玄関から見ても広そうな部屋に驚きながらも、お邪魔しますと小さく呟き部屋に上がった。 部屋の中はシンプルに白で纏められていて、綺麗な部屋だった。 「うわぁ…広いし綺麗…」 『そう?あっ!もう…魁ったら置きっぱなしだし…。ごめん。皆適当に座ってて?』 綾さんはそう言いながら、ソファーの周りを片付け始めた。 「綾ちゃんも良い所に住んでるね?」 『そうかなぁ?こんなに広くなくても良かったんだけどね…。銘ちゃんは熾遠さんと住んでたよね?』 「うん。家は普通のマンションだよ?」 『あら?銘愛は実家いつ出たの?』 綾さんと銘ちゃんが話してると、妃那ねぇが聞いていた。 「去年ですね。熾遠が寂しがりやだから…」 『クスクス。あの熾遠がねぇ?』 『ねぇ、とりあえず…お風呂入ろ?李遠ちゃん一緒に入ろ?』 「はい。」 『綾!ズルいわよ。李遠は私と入ろ?』 綾さんにお風呂に誘われたら、みぃさんも私を誘った。 『…じゃあ…皆で入る?』 『綾、私達は後で良いわよ?銘愛、紅葉、後で入ろ?』 綾さんは妃那ねぇの言葉に頷き、私と月さん、みぃさんでお風呂に入る事になった。 女同士でも、あまり入った事がなかった私は、しっかりタオルを巻き素早く洗い湯船に浸かった。
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