一章

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「~~ちゃん。い~ちゃん。」 誰かに呼ばれ、顔を上げると葵がいた。 「おはよ。い~ちゃん。お昼だよ。」 そう言われ、まだしっかり起きない頭で頷いた。 「どこで食べる?」 そう聞かれ、今日は何も持ってきてないのを思い出す。 「あ…学食いかないと…何もない…。」 そう言うと葵は笑顔で頷いて言った。 「じゃあ行こう。」 そう言われ、葵と二人で学食に向かった。 学食に向かう途中、やはり人気の葵に女の子の黄色い声と男達の挨拶の声が響いていた。 「葵すごい人気だね。」 「いやいや。櫂翔さん達の方がすごいよ?それに…男達は俺に挨拶すると同時に、い~ちゃん見てるんだよ?」 「私?」 「そう。い~ちゃん可愛いから。」 「…可愛くないよ。…それに…私は…」 …汚れてるから…。 最後は聞こえないように、心の中で呟いた。 「い~ちゃん?」 声を掛けられ、はっとして葵を見た。 「ごめん。何でもない。行こう。」 そんな話をしながら学食につき、ご飯を食べ、教室に帰った。 時間だけがドンドン過ぎていき、気づくと放課後になっていた。 「い~ちゃん。帰ろ?」 「うん。」 そう言い、葵と二人で帰って行った。 家に着くと、今日は誰もいなくて、見つかる前にと思い、部屋に逃げる。 夜になり、また涼がドンドンとドアを叩くが無視した。
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