六章

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ご飯を食べ終わり、皆で溜まり場に帰った。 倉庫前には葵がいて、おかえりと言ってくれた。 「葵、櫂翔は?」 「櫂翔さん達はまだ寝てるよ。」 『…起こしますか。』 紅葉ねぇはそう言うと、皆で二階に上がった。 昨日の部屋に来ると、瑠榎さん、瑠依さん、朔矢さん、颯矢さん、蓮さんが寝ていた。 「葵…櫂翔がいない。」 「櫂翔さんは隣の部屋にいるよ。」 『李遠ちゃん、起こしておいでよ。私は魁起こしてくる。』 綾さんはそういうと、奥の部屋に入っていった。 私も櫂翔を起こそうと、隣の部屋に入れば、ベッドでスヤスヤ眠る櫂翔に近づいた。 ベッドに腰掛け、櫂翔の寝顔を眺めながら声を掛けた。 「櫂翔…櫂翔おきて?」 「…ん?」 返事が聞こえて起きてくれたかと思ったら、また寝てしまった。 「もぅ…櫂翔!!起きてったら。」 「あ゙あ゙?………………………李遠か…?おいで?」 不機嫌そうに目を開けたが、私だと解ると急に甘い声を出した。 「起きて?皆待ってるよ?」 「…ん…もうちょっと…」 「だぁめ。起きて!!」 「…ん」 そう言うと、いつもの様にキスしてきた。 「…ン…」 唇を離すとギュッと抱きつきながら言った。 「ん。おはよ李遠。」 「…もぅ。皆に見られたらどうするの?」 「誰もいねぇからいいだろ?」 「そうだけど…」 「なんだ?皆の前でしてほしいのか?」 「違う!!あっ…櫂翔、胸にキスマークつけてたでしょ?」 「あぁ。今頃気づいたのか?」 「昨日、みぃさん達に見られて恥ずかしかったんだから…。」 「たまにはいいだろ?ほら向こう行くぞ。」 櫂翔はそう言い、私の肩を抱きながら歩き出し、昨日の部屋にきた。
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