六章

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「…ん…?」 目が覚めると櫂翔に抱き締められていた。 …あれ?昨日…いつベッドに来たのかな? 不思議に思いながらも、櫂翔に抱き締められているのが、嬉しくなりギュッと抱きつきながら考えた。 どんなに考えても解らなく、ボ~っとしていると、櫂翔が目をさました。 「…李遠…」 「ん?櫂翔、起きた?」 「…あぁ。…頭は痛くないか?」 まだ眠そうな櫂翔は、私を抱き締める力を強めながら言った。 「大丈夫だよ。それより朝だよ?…起きて?」 「…もぅ少し寝るぞ…。」 「ダメ。忙しいんでしょ?」 「…昨日は素直だったのに…」 「……??…昨日?」 「覚えてないのか?」 「ん~?綾さんとジュース飲んだのは覚えてる。」 「…はぁ。あれ酒でお前酔ってた。」 「えぇ!?ジュースだと思ってた…。」 「…もぅ家以外で飲ませないからな?昨日は相手出来なくて悪かった。寂しかったんだろ?」 櫂翔はそう言うと、チュッとキスをしてきた。 何回か軽くキスをしていて、段々と深くなっていく。 「………ン……」 櫂翔の唇が離れた頃には、頭が真っ白になっていて、櫂翔にされるがままだった。 チクッと首筋に痛みが走ったと思うと、櫂翔が私を抱き締めながら起き上がった。 「さすがにここじゃ出来ないからな。男避け…な?」 「…ン…。…跡…付けたの?」 「クスクス。隠すなよ?さすがに魁さんのチームに、お前に手を出すやつはいないが、念の為にな。」 「…バカ…。私は…櫂翔だけ…なのに…。」 「クスクス。李遠が可愛すぎるからな。俺が側に居れない間の御守りだ。」 「…ん」 櫂翔に寄り掛かりながら話をしていた。 私の呼吸が落ち着いた頃、二人で着替え幹部室に行けば、皆起きていた。
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