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そんな日々が続いていたある日。
「い~ちゃん?大丈夫?なんか…疲れてる?」
「…ん…大丈夫だよ。熾遠はいつ会いに来てくれるのかな?」
心配してくれる葵に返事をする。
「あ…。熾遠さん、最近学校来てないみたいだからね…。いつも気まぐれだから…。」
「そういう所は変わらないな…。」
葵が言った言葉に、昔の熾遠を思い出す。
葵と話をしていると、授業のチャイムがなり、葵は席についた。
お昼になり、葵と食堂に行くと櫂翔がきた。
「あっ!櫂翔さん!!」
葵が櫂翔を呼ぶと、櫂翔は私の隣に座り話した。
「久しぶりだな李遠。元気だったか?」
「久しぶり。元気だよ?」
「…李遠?なんかあったか?」
「…へ?何で?」
「元気ない様に見える。」
些細な変化に気づいた櫂翔にドキッとした。
「大丈夫だよ。ダメな時は相談するから…。」
「そうか?余り溜め込むなよ?」
櫂翔はそう言いながら、私の頭を撫でてくれた。
お昼休みも終わり、櫂翔と別れ午後の授業を受ける。
授業に集中する事なく、ボ~と時間を過ごし、気づけば放課後になっていた。
憂鬱な気持ちのまま家に帰る。
「…ただいま…。」
家に入ると、誰も居ないみたいで安心しながら、部屋に入る。
部屋の鍵を締め、ふぅとため息をついた時、シャワールームからガタッと物音がした。
一瞬ビクッとして、注意深く音がした方を見れば…涼がいた…。
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