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朝食を食べながら、皆で他愛ない話をしていた。
「はい櫂翔。」
「いらないのか?」
「ん?食べるけど、櫂翔も食べなきゃダメだよ。だから半分こしよ?」
そう言うと、笑いながら耳元で囁かれた。
「…李遠が食べさせてくれるなら食べる。」
「えっ!?」
「クスクス。俺は食べなくてもいいけどな。」
「むぅ~。食べなきゃダメ…。倒れちゃったらヤダもん。
…はい。」
そう言い櫂翔にサンドイッチを差し出し食べさせた。
すっかり皆がいるのを忘れて、二人の世界に入ってしまっていたが、ふっと呆れた様に銘ちゃんに呟かれ周りを見渡した。
「櫂翔…李遠ちゃん…周りをみなさい。」
「…あっ…」
慌てて周りを見ると、皆がニヤニヤしながら私達を見ていた。
急に恥ずかしくなり、私は顔が真っ赤になってしまったが、櫂翔は平然と食べていた。
恥ずかしい朝食も終わり、今日は夜から忙しいとの事だから、昼の間は皆で遊んだ。
夕方になり、綾さんの実家に送り届けられた私達は家の前で、それぞれ話をしていた。
「…気を付けてね?」
「あぁ。大丈夫だ。もぅ外には出るなよ?いいな?」
「うん。」
「そんなに不安そうにするな。終わったら連絡するから、待っててくれ。」
「…うん。」
話をしていると、魁さんに呼ばれた。
『櫂翔!時間だ。』
「はい。じゃあ李遠。後でな。」
チュッと触れるだけのキスをして、櫂翔は行ってしまった。
櫂翔達が見えなくなるまで、呆然と立ち尽くしていると、綾さんに呼ばれた。
『李遠ちゃん。入ろ?櫂翔くん達は大丈夫だよ。信じて待ってよ?』
「…うん。」
『よし。あっという間に櫂翔くん達が帰ってくるよ。』
そう言う綾さんに引っ張られながら、家の中に入って行った。
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