六章

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綾さんに連れられリビングに入ると、沢山の人がいた。 『たっだいまぁ!』 『綾おかえり。』 『ただいま。李遠ちゃん、これ家のお父さん。』 『おっ。始めましてだな。綾達の親父です。』 「あ…始めまして。李遠です。今日はお邪魔します。」 『おぅ。李遠はもしかして…熾遠の妹か?』 「はい。」 『だよなぁ。昔の李維(りい)にそっくりだ。大きくなったなぁ?』 …李維…私のママ。 「あの…ママの事知ってるんですか?」 『おぅ。昔の仲間だ。勿論、翼もな。ちょい待てよ?お~い紗羅~。来てみろよ?』 『なに潤?…え…李維!?』 呼ばれてきた可愛い女の人は、私を見るとビックリしながらママの名前を呟いた。 『李遠だ。翼と李維の娘だよ。李維そっくりだろ。』 『本当だ!!私は綾達の母の紗羅です。李維に似てるわね。』 「えっ?…あの…。」 『もぅ。お母さんもお父さんも李遠ちゃんが混乱してる。ちゃんと説明してあげて!!』 『あぁ。李遠こっちにこい。 お前ら。翼と李維の娘が来たぞ!!』 潤さんはそう言うと、私の手を引きながらソファーに座った。 回りにいた人達もパパ達を知ってるらしくて、挨拶を交わしていた。 『よし。李遠説明するな?宝龍は解るか?』 「魁さんのチームですよね?」 『あぁ。ここにいるのは宝龍の先代メンバーだ。翼と李維も宝龍の2代目に居たんだ。』 「…え?」 『やっぱり知らないか。まぁ仕方ないな。あいつらが亡くなって、6年か…。熾遠も言わなかったんだな。』 「…え?…あの?」 『まぁ気にするな。翼達の葬式に俺達も居たんだ。熾遠はしっかり覚えてたけど、李遠は解らないだろ?』 「はい…。あんまり記憶がなくて…。」 潤さんにパパ達の葬式の事を言われたが、実際熾遠に抱きつき泣いてた記憶しかない。 『李遠ちゃん…泣きっぱなしだったもんね…。李維達の残した子だから…気にはなってたの。あいつが引き取るって言った時はビックリしたけど…』 「あいつって…叔父さん?」 『そぅ。昔から性格悪くて嫌いなの。翼の弟じゃなければ殴ってたわ。…あいつにイジメられなかった?』 綾さんママに聞かれ、殴られていたのを思いだしてしまった。
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