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突然微かに震えだした私を見て、綾さんママはギュッと抱き締めてくれた。
『大丈夫…大丈夫だよ。ここなら怖くないからね?
…あいつ…やっぱり酷いことしてたのね?まだあいつと暮らしてるの?』
「…あ…今は…櫂翔と…。」
『そぅ…なら大丈夫ね。ゴメンね?嫌な事思い出させて…』
「…いえ…大丈夫…です。」
綾さんママに抱き締められ、落ち着いてきた頃、綾さんが話しかけてきた。
『李遠ちゃん…大丈夫?櫂翔くん呼ぼうか?』
「大丈夫…。少し思い出しただけだから…。」
『なら良いけど…無理なら連絡するからね?』
「うん。ゴメンね綾さん。」
綾さんと話していると、男の人が近寄ってきた。
「綾。李遠は櫂翔の女か?」
『あきくん!!そうだよ。李遠ちゃん、こちらあきくん。魁のお父さんなの。櫂翔くんの叔父さんになるんだよ?』
「李遠よろしくな。櫂翔が我が儘言ってないか?」
「はい。大丈夫ですよ。寧ろ…私の方が我が儘ですし…」
「そうか。何か悪さしたらすぐ言えよ?」
そう言い、あきさんは私の頭を撫でてから潤さん達の方に行った。
綾さんママは本当のママみたいに私に構ってくれ嬉しかった。
皆でゲームをし始めた頃、携帯がなり櫂翔だと思い、確認もしないまま出た。
「はい櫂翔?」
出ても無言で相手からは何も話さない。
不思議に思い、画面を見ると非通知…と出ていた。
「…もしもし?…誰?」
ざわざわした室内も私の一言でピタッと静かになった。
「……誰なの?」
しばらく待っても返事がなく、イライラして強めに怒鳴ると、聞きたくない声が聞こえてきた。
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