六章

50/70
前へ
/592ページ
次へ
結局その日は潤さん達、宝龍の先代に囲まれながら騒いでいた。 いつの間にか寝てしまっていた私は、目を覚ますと櫂翔に抱き締められ布団に入っていた。 寝起きの頭で、いつ布団に入ったのか考えていたが解らなく、きっと櫂翔が運んでくれたんだなっと思いながら櫂翔に抱きつくと、櫂翔が目を覚ました。 「…ん…李遠…」 「おはよう櫂翔。」 「あぁ。おはよう。」 寝起きの掠れた声で、おはようって言うと同時にチュッとキスをされた。 櫂翔の唇が離れると、櫂翔は起き上がりタバコを吸いながら私を抱き締め話しかけてきた。 「…起きるの早かったな?」 「そう?何か良く寝た気はするけど…」 「…朝方まで騒いでたんだぞ?」 「そんなに遅かった?」 「あぁ。俺達が帰って来たのが夜中近かったからな。」 「そうなんだ…」 話していると私の携帯がなり、一瞬ビクッとしながら、携帯を手に取りディスプレイを覗いたら綾さんで、安心して電話に出た。 「もしもし?綾さんおはよう。」 《おはよう李遠ちゃん。起きてるならリビングにおいでよ?》 「うん。今から行くね。」 軽く会話をして電話を切り、櫂翔を見上げると櫂翔は笑いながら言った。 「クスクス。綾は朝から元気だな。行くか?」 「うん。」 返事をしてベッドから降り、櫂翔に後ろを向いてて貰いながら着替えた。 ノースリーブのミニワンピにカーディガンを羽織ると、急に後ろから抱き着かれた。 「わっ!櫂翔?」 「今日も可愛いな。誰に見せるつもりだ?」 「??いつもと変わらないでしょ??」 「いや。それに…これ新しい服だろ?いつ買ったんだ?」 「この前綾さん達と買い物行った時だよ。綾さん達に薦められたんだけど…似合うかな?」 「あぁ。誰にも見せたくないぐらいな。」 綾さん達に薦められた時、似合わないと思っていたが、櫂翔にそう言われ嬉しくなった。 ニコニコしながら、櫂翔とリビングに降りて行った。
/592ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1836人が本棚に入れています
本棚に追加