一章

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「…ぁ…。」 私は小さく呟くと同時に身体が震え出した…。 「李遠帰ったか。」 そう言いながら、近づいてきた涼。 「…な…何で…ここに…。」 「お前を待ってたんだよ。」 身体が動かなく、近づいてきた涼に、引っ張られベッドに投げられる。 「…や…いや…。」 「嫌じゃねぇだろ。お前は俺のおもちゃなんだ。大人しくしてろ。」 涼はそう言いながら、私の服を脱がし始めた。 「やっ!やだぁ!…熾遠!熾遠!!」 「うるせぇ!熾遠を呼んだって来ないんだよ!!」 そう言い、私を殴りながら、行為を進める…。 「……やぁ……。…し…おん…。」 「熾遠を呼んでも帰って来ない。お前は見捨てられたんだ。」 「違う!…熾遠は…私を見捨てない!!」 涼はそう言いながら、痛いぐらいにキスマークを身体中につける。 「やだぁ…!…熾遠!…熾遠!………櫂翔!!」 櫂翔の名前を呼ぶ私に、涼がピクリと反応した。 「櫂翔って誰だ?」 私はそこでハッとした。 無意識のうちに櫂翔に助けを求めたみたい…。 答えない私に涼は言った。 「まぁいい。誰を呼ぼうと誰もお前を助けになんて来ない。 現に熾遠も帰ってきてない。それに…汚い李遠なんて誰も愛さないしなぁ。お前は一生俺のおもちゃなんだよ。」 涼はそう言い、乱暴に私を抱いた。 何回もされるうちに、意識を飛ばしていたらしい私は、気付くと涼がいなかった。 部屋の中を見回し、涼が何処にもいない事を確認してから、部屋の鍵を締める。 シャワールームに飛び込み、涼に抱かれキスマークだらけの身体を、ゴシゴシと赤くなるほど擦り洗う。 そのうちポロポロと涙がこぼれ、呟いていた。 「……熾遠……櫂翔……。……誰か……助けて………。」 櫂翔には話せない。 早く熾遠を見つけよう…。 そう思いながら、熱いシャワーを浴び続けた。
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