六章

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綾さん、みぃさん、月さん、銘ちゃんが私にって色々持ってきてくれたが、どれも大人っぽく似合わない様な気がしていた。 『李遠ちゃん、とりあえず着てみなよ!!』 綾さんに言われ、何点か持って試着室に入って着替えた。 やっぱり私には大人っぽ過ぎると思っていると、銘ちゃんに呼ばれた。 「李遠ちゃん着替えた?」 「う…うん。」 「開けるよ?」 シャっとフィッティングのカーテンが開くと、皆がジッと見てきた。 「…どうかな?やっぱり大人っぽくて似合わないよね?」 ジッと見られ恥ずかしくなりながら言えば、皆が叫びだした。 「可愛い!やっぱり似合うわね。」 『李遠はそれぐらい大人っぽくても大丈夫だよ。』 『李遠ちゃん!他のも着てみて?』 『次はこれね?』 そう言いながら月さんから受け取り、また着替えてカーテンを開ける。 何回か繰り返し最終的に決まった水着は、白地にブルーの花柄で肩紐がなくホルターネックになったビキニだった。 4人に押され何とも言えずにレジに持っていかれ、そのまま買ってしまった。 「うぅ~。こんなの恥ずかしい…」 『大丈夫よ。李遠はスタイルいいんだからそれぐらいがちょうどいいの。』 『それに…櫂翔くんもきっと惚れ直すよ。』 みぃさんと月さんは笑いながら言ってくれたけど、銘ちゃんはニタニタしていた。 「クスクス。櫂翔と熾遠の反応が楽しみだわ。」 「銘ちゃん…楽しんでる?」 「もちろん!皆も櫂翔達の新しい一面が見れて楽しいわよ。」 何を言っても無駄だと思い、気付かれない様に小さく溜め息をつき店から出て、櫂翔達が待つベンチに行った。
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