六章

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それぞれが彼氏の元に行ったから、私も櫂翔に近寄り声をかけた。 「櫂翔お待たせ。」 「あぁ。どんなの買ったんだ?」 「…秘密…」 櫂翔と話をしていると、銘ちゃんが熾遠とやってきた。 「櫂翔、楽しみにしときなさい。すっごく可愛かったから。」 「…可愛くないよぉ…」 「李遠ちゃんは充分可愛いよ。いい?櫂翔に見せちゃダメだからね??」 「…わかった。」 私の返事に銘ちゃんは満足そうに頷き、皆のもとに歩き出した。 私と櫂翔も他愛ない話をしながら皆のもとに来ると、これからどうしようかって話しになった。 さっきケーキを食べたばかりでお腹は空いてなかったが、男性陣がお腹すいたと言ったので、デパートからでてファミレスに向かった。 ファミレスまで歩いていると、街中の女の子達が騒ぎ出した。 この街でも櫂翔達は人気があるのか、キャーキャー言われ、その声に混ざり時々私への非難の声が聞こえてきた。 私はあまり気にしないようにしながら、櫂翔の服の裾をもち歩いていたが、何を考えたのかいきなり櫂翔は私の肩を寄せて歩いた。 「櫂翔?」 「ん?どうした?」 「…なんでもない。」 少し不安に思っていたのがバレたみたいで、櫂翔のさりげない優しさに甘える事にした。 ファミレスで軽く食べた後は、宝龍の溜まり場に戻り、倉庫の敷地内で皆で遊んだ。 夜はまた外食にいき、美味しいパスタ屋さんに連れてきてもらった。 皆とはそこで別れ、私と櫂翔、熾遠と銘ちゃんはホテルに来た。 「櫂翔?ここに泊まるの?」 「あぁ。」 櫂翔はそう言うと、熾遠とフロントに行き、何かを話してすぐに戻ってきた。 エレベーターで部屋がある階まで上がり、部屋の前で熾遠達と別れた。
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