六章

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みぃさんの部屋に着き、皆が揃うと着替え始めた。 『もぅ!今年も見事に連れ去られたね?』 綾さんの愚痴に、みぃさん、月さんが深く頷いた。 「あら?去年も彼氏と一緒の部屋だったの?」 『そうなんだよ銘ちゃん!たまには女の子だけにしてくれてもいいのに!!』 「クスクス。仕方ないわよ。魁は綾ちゃんと離れたくないのよ。」 そんな話をしながら着替えた。 買った水着はやっぱり恥ずかしいから、櫂翔のパーカーを勝手に持ってきて着ていた。 『…李遠…』 「ん?なにみぃさん??」 『それ…櫂翔くんの?』 「パーカー?そうだよ?私のは無かったから。」 『…まぁ…いいか。』 みぃさんが何を言いたいのか解らなかったが、皆が着替え終わり玄関にに向かった。 「李遠ちゃん何も持って行かないの?」 「櫂翔が持っていってくれたの。」 話していると玄関につき、すでに男性陣は着替えて揃っていた。 櫂翔も海パンの上に私が借りた色違いのパーカーを着ていた。 「櫂翔、待った?」 「いや大丈夫だ。これ…お前が着てたのか。」 櫂翔は私が着るパーカーを引っ張りながら言った。 「うん。水着だけだと恥ずかしいし…私は羽織るの持ってきて無かったから…ダメだった?」 「いや。元々お前に着せようと思ってたからな。」 「そうなの?とりあえず行こう?皆行っちゃったし…」 「ん。その前に…」 櫂翔はそう言いながら、私を抱き寄せキスをした。 軽くキスを落としたあと、首筋にもキスを落とした。 「…ン…やぁ…。…跡…付けちゃ…ダメ…」 「クスクス。男避けだ。ここは俺達の街じゃないからな。ほら行くぞ。」 クスクス笑う櫂翔を軽く睨み、二人並んで綾さん達の方に来た。 すでにみぃさん、月さん、朔さん、颯さんは海の中にいた。 『あっ!李遠ちゃん来た。行こう?』 「うん。櫂翔は?」 「俺は後で行くから綾と行ってこい。知らない奴に着いていくなよ?」 「行かないよ。綾さん行こう。」 返事を返し綾さんとパーカーを脱ごうとしたら… 「待て李遠…」 『…沙綾…』 櫂翔と魁さんの声に振り向いた。
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